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モダンとヒストリカル

バロック音楽などをやっていると、不思議と、モダンとヒストリカル(言い換えればピリオド)という言葉を対立させていませんか?

私の専門、チェンバロでは、確かにモダンチェンバロとヒストリカルチェンバロと呼ばれる楽器の間の構造の違いとか、音の違いなど大きくて、両者の隔たりが一目瞭然にわかります。

つまり、モダンチェンバロはあくまでも近現代の発明で、ピアニストがピアノのように弾ける楽器で、音は細く小さい。ただしペダルがたくさん付いていて、演奏中もペダル操作で音色を変えられる。重くて運ぶのが難しい。丈夫で頑丈な構造。

対してヒストリカルチェンバロは、昔の楽器をコピーしたり、研究して作るもの。小さめで軽く、豊かな音量があり、タッチによって微妙に音色が変化。ペダルは無し。持ち運びが意外に楽。

ヒストリカルをやっている人はモダンの悪いところばかり気になって見ているね。
その逆は案外そうではない、モダンの楽器を演奏する人は、ヒストリカルの楽器でバッハを演奏することに憧れに近い思いを抱いている。

同じバッハの曲を演奏する場合でも、モダンとヒストリカルでは全然違う音楽作りだな、と思うけど、両者が知らんぷりしてお互い関係したくない、という顔をしているのもどうかと、、、思います。
by toshimusikk | 2007-04-18 01:31 | 音楽
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