寒中の春

数日前、熊谷の時田さんのお宅で開かれた小さな酒宴に招かれた。
群馬の俳人、山本素竹さんをゲストとして時田さんたち数人が囲むというような会だった。

時田さんとの御縁もそうだったように、山本さんとこの酒席で巡り会ったのも、ただ通り過ごしてしまうことのできない御縁を感じる。

その晩はつい遅くまで酒を酌み交わし、山本さんには高崎の拙宅に泊まっていただいた。
翌朝ぼくは寝坊した。

彼を子持村のお宅に車で送っていった。
腹ぺこだったが、彼がぜひ食事を我が家で、といってっくれたから、お言葉に甘えることにして。

気温は低いものの、日差しが暖かく大気には春の気配が香っていた。
山本さんの奥さん手作りの遅い朝飯を、彼は静かに食べる。
ぼくはゆっくり食べる。

今日は春ですよ。

奥さんのつぶやいた言葉が胸に残った。

そして、昨日のこと。

日課のような散歩で、高崎城趾のお堀に沿って歩いていた。
ようやく花芽らしきものが吹き出した桜の裸の枝の間を小さな鳥が飛び回っている。
近付くとそれは番の目白の夫婦だった。
枝から枝へ、忙しくもつれあうように飛び交っていた。
雀よりも小さな身体、目の周りには白い輪がくっきりと浮き立っていた。
寒中に春が目を覚ましたようだ。

そういえば最近、NHKのアーカイブに、昭和初期の桜満開の京都の様子を写した映像を見つけた。
昭和9年、桜の花咲く頃と髪結い
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by toshimusikk | 2008-02-13 19:09 | 雑記
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