巻機山の向こう

群馬と新潟の県境の山の一つに巻機山がある。
今日はその向こうの話。

もともと巻機山は機織りと縁が深い、その昔村の若者が薬草豊かなこの山の頂き付近で機を織る天女と出会い、村の氏神となって守ってやろうという女神を背負って村へ帰るという伝説がある。この話では「振り返るな」といわれた約束を守りきれずに振り返ったため、背中の天女は消えて美しい錦の機布だけが残ったという続きがある。

新潟はいつもぼくを引っ張る不思議な縁を持ったところ。
山を越えて入るその国は気になる伝説も多い。
もっともぼく個人の血統に新潟の血は流れていないと思う。
しかしなぜか惹かれる。

24、か5の時以来毎年のように調べにいった柏崎市の伝承芸能「綾子舞い」
途中留学があったり、仕事で行けなかったりと中断はあったが、それでも、20年くらいは見てきただろうか。現在公開されている演目のすべてを見てきたし、マスコミが注目する前の小さな黒姫神社の神楽舞台で細々と演じられてきた歌舞狂言の技量の浮き沈みをつぶさに見てきた。年寄りから若者へという世代交換もようやく果たせてきたようだ。

あっ、今日は「綾子舞い」について書くのではない。

山が多いと伝説も多くなるが、山ノ神は決まって女神である。マタギの女神は醜女が多いが、越前越中の女神には天女が似合う。

女の神は豊穣を意味すると安易に考えることもできるが、もっと現実的に、天女は美しい織物と深い関係を持つ。羽衣、すなわち天女こそ天の羽衣の織り手だったはず。。。

巻機山の伝説もそのバリエーションなのだろう。
当然、黒姫山も織り姫としての一面を持っている。
黒姫神社例祭で演じられていた「綾子舞い」
現在はあたかも芸能「綾子舞い」と化して多くの観光客を集めているが、綾子姫の伝説にどこか繋がっているものを感じる。

今日読んでいた本に、日本の美しいロマンスを見つけた。
新潟の帯織(おびおり)という地名を調べに出た著者が、その土地に伝わるご詠歌に巡り会った。

「夜もすがら 有無のくり糸 帯織りて
二世の契りを ここに結ばん」
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by toshimusikk | 2007-03-15 00:37 | 雑記
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