カンタービレについて、その2

わかっているようで、実際はあまり自信を持って説明できない「カンタービレ」
私自身、これまで何となくの理解しかなくて、生徒さんにもきちんと説明できずにいました。

さて、今回はそういったことへの反省の思いも込めて、普段カンタービレという音楽用語に対して持っている理解の仕方を、少しだけ整理してみようと思います。

前回書いたこと

「歌うってどういうことなのでしょうね。
歌手なら何の疑問もなく、わたし歌ってます、で答えが出るのでしょうが、
器楽奏者は本当の歌とは違う音楽をやっているわけなので、そこのところがはっきりわからないのです。」

そう、カンタービレという言葉に戸惑いを覚えるのは、歌手ではなくて器楽奏者達なのです。
管楽器や弦楽器など、音を持続できる楽器なら、まだ本物の歌声のようなフレーズ作りが可能かもしれませんが、鍵盤楽器、ピアノやチェンバロとなると、歌声に近付くということはますます困難です。

私はチェンバロ奏者と同時に、ヴィオラ・ダ・ガンバという弦楽器も演奏しますので、いつも歌える楽器ガンバのよさを再確認しては、チェンバロもなんとかならないかな、、と考えさせられる機会が多くありました。

私の音楽的アプローチの基本は、「音楽は身体の奥から出てくるように」ということです。頭や指先が演奏しているように聞こえてくると、それはもう音楽以前の感じがしてしまって、ちょっと残念になります。とはいうものの、「身体の奥から出てくる音楽」は思い入れたっぷりに自己陶酔して演奏することとは違います。そんな演奏を聴かされたら、ちょっと失笑してしまいますよね。

さて、カンタービレの問題も、やはりこの基本のなかに理解の糸口がありました。
それは「呼吸とリズム、拍節」に深く関係していると思っています。
器楽奏者というのは、先生について楽器を習っている時に、どんな呼吸をすればいいかはっきりと教えてもらうことは、まずないといえるでしょう。たまにその問題まで突っ込んで教えて下さる先生もいるとは思いますが、、、

「なぜ、呼吸するの?」
それは、息を吸わないと死んでしまいますよね。
息を吸う。このことが大事なのは確か、そして、歌はこの息によって作られる表現なのですから、歌うように演奏しようと思ったら、息の勉強は不可欠です。

吸う息、吐く息、いきには2つの運動があります。
どのように息を吸うか、どのように息を吐くか、このことを考えてみればかなりカンタービレのイメージに近付けるのではないでしょうか。

息を吸うのも吐くのも運動です。運動には心臓の動きがそうであるように、リズムが必要です。
音楽では、音の並びはすなわちリズムです。拍節の並び(拍子)もすなわちリズムです。このリズムと呼吸のリズムとがしっかりと結びついているということが大切になります。
とはいえ、拍子に合わせて呼吸をしなさいとか、リズムにそって規則的に息をすったり吐いたりしなさいと言っているのではありません。たぶん、私の考えではむしろその逆です。
リズムが「リズムでなくなって呼吸になってしまう」息づかいをするべきだ、そう言う息づかいを見つけて行うことが、音楽を一旦身体の中に取り込むための大事な作業だと考えるのです。

つづく、 と いたしましょう。 
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by toshimusikk | 2007-03-11 12:54 | 音楽
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