バスの話 2

バス=馬の尻尾の毛、
これを使っている楽器というと、やはり弦楽器です。中でも擦弦楽器。
擦弦楽器とは文字どおり弦を擦って音を出す楽器ですが、擦るためにたいてい馬素を使うのです。これはなんとかなり世界共通です。なんでなんでしょう。
たぶん、擦弦楽器の大元が何かある一つのもので、その最初の発明の楽器が弦を擦るのに弓に張った馬素を使っていたので、それがそのまま世界に伝搬して行ったのではないかと思います。
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これは日本の胡弓です。楽器本体は三味線同様の形とやはり3本の弦、ただしかなり小さいのですけど。
そしてこの妙な形に曲げられた弓とその下の本当に大きな(太い)馬素の束を見て下さい。三味線ほどの細い弦を擦るのに、これほど大きな馬素の束を用いる楽器は他にありません。
ちなみに、他の種類の楽器の弓と比べてみてみましょう。
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いかがですか?
一番上がヨーロッパで活躍するバス・ガンバの弓。真ん中はモンゴルの馬頭琴の弓。そして一番下に我が日本の胡弓の弓です。
異常な大きさが分かるというものです。
また、西洋の弓が馬素をかなりしっかり引っ張って、まさに弓を張る状態になって使われるのに対し、した二つ、馬頭琴と胡弓の弓は全く馬素を引っ張っていません。それはただくっつけられているだけです。
中でも馬頭琴は二本の弦まで馬素を編んで作ったものです。まさに馬に素材を得た楽器です。

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最後の写真は、馬頭琴と日本の胡弓とを並べてみたものです。
胡弓は楽器の大きさに比して、いかに巨大な弓を使うかが一目瞭然んで分かって頂けると思います。
また写真の馬頭琴の表の胴は馬の皮が張ってあるものです。現在は音量音質追求で、西洋のバイオリンのように胴を全て杉や松で作るものが主流ですが、かつてはこのように馬の皮を張ったものが使われていたと聞きます。
それにしてもこの馬頭琴、馬素を編んでこしらえた弦がキョウレツに太い。とても普通に押さえられる代物ではありません。そのせいかどうかは別として、弦を指の腹で押さえるのではなく、爪の背の辺りで下から上に押し上げるようなおさえ方をするのも、かなり特殊な奏法となっています。

ガンバ、馬頭琴、胡弓、すべて楽器を座った足の上または間に乗せて演奏します。弓の持ち方も上から掴むバイオリンやチェロの形ではなく、下からお箸をつまむような持ち方をするところも共通です。

しかし、実はこの馬素だけではしっかり音を鳴らすことは出来ません。馬素の上にロージンつまり松やにを塗って初めてしっかり弾くことが出来ます。このロージンも世界共通のようです。なぜなのでしょう。不思議です。DNA鑑定ではありませんが、つまるところご先祖様は一つというところに行き着くのでしょうか。。

次回、胡弓についてもう少しだけ調べて行きたいと思います。
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by toshimusikk | 2007-02-11 13:39 | 音楽
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