ハーモニー  〜調和を目指す響き〜  2

  調律法は古来からたくさんあります。
 私がすぐ思い付くものとして中国の三分損益法、ピタゴラス調律、ミーントーン、キルンベルガーなどなど。インドやペルシャ、アラブの調律法などは全く知りません。勉強不足!
 つまり、地域や民族、さらに時代によって好まれる代表的な調律法というのは様々に変化しているのです。そして、たまたま今日、西洋音楽にあっては12平均律という調律法が主流となっているに過ぎません。
 実際、私が専門としているバロック音楽の時代には、別の意味での平均律、例えばキルンベルガーやベルクマイスター、ヤングの調律法と呼ばれるような部分平均律が好まれます。

 多くの音律が存在するということは、それらが必要とされた理由があったからです。東洋より西洋の方が多くの音律を生み出しています。個人によっても独自の調律法をする人がいますから、ある意味無限の調律法が用いられています。
 西洋でたくさんの音律が考えられてきた背景には、西洋音楽が単声のメロディー中心ではなく、和声法や対位法的多声部書法によって、いくつもの音が同時にぶつかり合い、混ざりあい、共鳴しあうように意図されている事情があるでしょう。ぶつかりあう音を美しく響かせるための音響的な調和を目指すこと、それが多くの調律法を生み出した背景だったのです。

 さて、この日記の本来の問題、正しい音程とは? 正しいハーモニーとは? に話を戻しましょう。

 正しい音程とは絶対的な音高にあるのではなく、正しく響く音高という意味で考えることが望ましいと、私は考えています。
 この音程とは他の声部の音との関係性もそうですが、音楽表現の中身によってもかなり影響を受けやすいものです。たとえば、悲しみの表現の中にあってはやや低めの音程でとか、歓喜の興奮の表現の中では思いきって高めにとか、ごく自然にそのようにずらしてみたくなるものなのです。
 このようにずらすことのできるもの、幅とかゆとりとか、つまり私のいう「ゆるみ」のなかで動くことができるものとして、音程についても考えてみたくなります。 ・・・つづく

音律・・・音階を特徴付ける音程の配列の意味で使っています
調律法・・上記音律を得るための1オクターブの分割法
音高・・・ある音の質的高さ、数学的に表すことも可能なもの
言葉使いの定義がハッキリしていなくてごめんなさい。音楽学の論述ではありませんので、どうぞご容赦下さい。。
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by toshimusikk | 2006-11-25 00:16 | 音楽
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