演奏者にとっての「ゆるみ」とは

「ゆるみ」という感覚がどういうもなのか、どんな利点があるのかお伝えするのは、やや思索的すぎて難しくなります。私自身がまだ研究段階でうまくまとめられないということもあるのですが・・・

そこで、意識しなければできない「ゆるみ」というものがあると初めて気付いたころ、私自身が具体的に何を実践していたかについてお話ししましょう。
 
それは歌の勉強でした。私は歌手(歌の専門家)ではありませんが、コンサートで何度か弾き歌いをしていました。しかしそれはいつも中途半端で、チェンバロを弾きながら歌うことにどれほど説得力があるのか???といつも反省していました。
まず、クラシックの歌曲を歌うわけではないので、やたらと響く声を出す声楽家的発声は無用だと考えました。もっと自然な声で歌いたいとは思うのですが、実際に声を出してみると何の魅力もないつまらない歌い方しかできないのです。自然な声で、なおかつ良く響くいい声で歌いたいという思いがどうも不必要に空回りしていたみたいです。
ところがです、自分の中にイメージした「ゆるみ」に声を響かせるようにして歌うと、いままでいい声を出そうともがいていた歌い方と打って変わって、歌声の響きに自然さと広がりが得られ、抑揚も表現力も安定感が出て自分自身歌うことが楽しくなるような感覚に出会えたのです。

その時の私が理解した「ゆるみ」のこつとは、まず「気」を上(喉)に上げないようにすること。意識は常にみぞおちの辺り(私の場合です)。そして声の響きを必ず一度体に戻してあげること、自分の体が楽で気持ちいいように歌うこと。今振り返ればそんなことだったといえるでしょう。そして、この歌い方によって得られた感覚が、歌う、に留まらず、弾く、はっきりと影響を与えることに気付いていきました。

ここから、チェンバロやガンバの演奏法にも繋がっていくのですが、それはまた後日。
[PR]
by toshimusikk | 2006-10-28 00:06 | 音楽
<< ちいさなツアー 「ゆるみ」について考えると >>