2012、九州ツアーまとめ

2012年9月22日から10月3日まで九州ツアーをして参りました。

「出発」
フェリーでの旅立ちは9月22日でしたが、その前日21日は終日加子母水無神社例祭の当番で祭りの笛を吹いていました。
加子母の住人となって3年目で初めての経験でした。
祭りの笛は上手な者が獅子舞の笛を吹きますが、その他は獅子頭を載せた宮殿(くうでん)の練り歩きの笛を吹きます。曲は3曲ほどですが、宮殿が動いている間はこれをずっと吹き続けます。
午後6時過ぎ、辺りが暗くなり出すといよいよ参道から神殿までの獅子の宮入が行われます。参道には大きな松明が何本も焚かれ、火の粉が飛び散っています。獅子はその中をゆっくりと笛太鼓の大合奏に合わせて進んでいきました。
神事、獅子舞奉納も無事終わり、会場を変えての直会(なおらい)へと続きます。飲み潰れるものも少なくないと言う直会 、私はそこを抜け出して九州ツアーの準備を始めました。
翌22日は朝9時に車で出発し泉大津港発のフェリーに乗りみました。2週間ほどの旅仕事、朝家で見送ってくれた家族のことが頭に残ります。無事フェリーに乗り込んだ私は展望デッキで風に吹かれながら久しぶりのウイスキーをゆっくり味わいました。

「コンサート」
新門司港に到着し早朝別府温泉を目指し走り出します。途中休憩を取ったり、仮眠したりのマイペース。
午後1時開演の環豊後水道古楽祭でこれまでずっと小さなチェンバロミニミニライブをさせてもらっています。今年はギリギリの日程となりましたが、なんとか参加できることができました。残念なのは、来年再来年と加子母の祭りの本当番があって、別府の古楽祭に参加できないことです。

24日、今年は臼杵市の石仏群を見てみたいと思って出かけました。平安時代に彫られたと言われる石仏たちは国宝に指定されています。岩から掘り出した石仏ですから、風にさらされて相当に劣化が進んでいました。昭和に入ってから何度も修復作業が進めてられていたようです。私は仏像の美術的な価値と言うよりは、この地に住み暮らした人々の仏の強い憧れにひかれました。
臼杵市周辺にはまたキリシタンの遺跡も散在していました。岩に刻まれた十字架や、人目につかない墓地跡等を見ることができました。

25日は再び別府市にて、浜脇温泉近くの文化財指定住宅「桝屋」にてコンサート。3年続けての演奏となりました。主催して下さるいつもの皆さんと多くの話題で盛り上がる打ち上げは本当に楽しい時間でした。

26日は朝倉市秋月へ行きました。江戸の風情を色濃く残した町秋月、そこの「木木の葉雑器店」での初ライブでした。カフェーで頂いたオーナーの奥田さん手作りのかぼちゃスイーツは思わず声が出るほどの美味しさでした。
その晩は地元の皆さんが子供んを連れてたくさん見えました。
いつもと違って子供向けにお話をしたり、みんながわかるオカリナの曲を吹いたりしていたら、その後のチェンバロや胡弓の演奏もどの子も熱心に聴いてくれました。

27日は一度出かけてみたかった柳川市へ。思った以上に広い町のエリアを水路が縦横無尽にはしっています。時間がなく舟に乗ることはしませんでしたが、当地には素晴らしい文学の風土があることを知りました。
私が一番心ひかれたのは、劉 寒吉でした。俳句も書も素晴らしいもので、心打たれました。

28日、いよいよこのツアーの一番大事な日。佐賀県の有田町へ向かいます。
一昨年有田町を訪れたときに、ある旧家の方から古い胡弓を譲り受けました。それは幕末の一時期に作られていた珍しい四弦胡弓でした。修理の終わった四弦胡弓のお披露目をするのです。
有田町ではまず、昨年園長先生と知り合いになった天神同朋保育園を訪ねました。ここの子供たちは論語の素読を正座でしているそうです。その成果でしょう、お話にも演奏にもよく耳を傾けてくれました。
夜のコンサート会場は有田町でも老舗の香蘭社本店赤絵座工房。たくさんの困難を切り抜けてこのコンサートを実現してくださった秋山さんご夫妻が、お友達スタッフと一生懸命会場作りをして待っていてくれました。私のほうは今年のスケジュールが妙に詰まってしまって、ゆっくりお話をする時間も持てなくて大変残念でした。秋山さんにいただいたご恩はしっかり心に沁みました。

29日、赤村スローカフェクリキンディーにて午後のライブ。
このクリキンディさんは去年から気になっていたお店。スローカフェというのも何となくしかわかっていませんが、今年は思い切って連絡を取りました。ライブな実現できて本当に良かったと思います。予感していたとおり、スタッフの人柄、物腰がとても素直で心地よいのです。加えて集ってくれたお客様もゆったりと心を開いてくれています。もっともっと長くお付き合いをして、何度も交流したいと感じています。しかし、カフェのお店の方は今年限りの営業で終わってしまうそうです。赤村に定住してさらに次のステップに踏み出すというマスターの後藤さんを心から応援したいと思います。

30日は休日、一日読書でゆっくりと過ごしました。柳川市へ出かけた時に古本屋に寄って、浅井次郎の「天切り松」一巻と五木寛之の「風の王国」を買いました。「天切り松」を読みましたが、これは面白く、夢中にさせられました。

10月1日、九州での最後のライブです。北九州市折尾の「さくら堂」。学園通りにある料理とお酒のお店です。
私の大好きな友人イーディー・ハラノさんが紹介してくれた会場です。間口の狭い階段を上った二階にあるお店は、中に入ると居心地の良い十分な広さを持った木の美しい内装です。これはいいライブができる、一目見てわかります。嬉しくなりました。新鮮な野菜、魚、一手間も二手間もかけた料理。開演の頃には席は一杯でした。イーディーもお店のお手伝い、本当にどうもありがとう!

2日はフェリーに乗る前に、豊前市で自然農法を実践している園本さんの田んぼへ伺って、鎌による稲刈りを教えてもらいました。自然と共生する農業の全ては本当に知恵の宝庫です!慎みと慈愛、そのものです!もっと知りたいと思います。
夕方出発のフェリーに乗り、また大阪泉大津港へ。船の中で五木寛之の「風の王国」を読み出してびっくり。自分の翌日の動きとほぼ同じ道筋が小説の舞台となっているではありませんか!!
不思議な縁を感じずにはいられません。次の日3日は早朝から仁徳天皇陵、そして葛城の地を目指し走り出すのです。
毎回九州ツアーのおしまいに奈良県御所市に寄って、土地の皆さんと交流することが私の大切なライフワークとなっているのです。
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by toshimusikk | 2012-10-05 21:58 |
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