ひねどり

元日のランチパーティーに来てくれた友人が、冷凍の鶏肉をひとかたまり手土産に持って来てくれました。ぱっと見て、ホワイトトレーの中の肉は一羽分そっくり入っている様子です。
友人は、「ひねどりだけど」といって渡してくれたのですが、その言葉を軽く聞き流してしまい、忘れていました。

おとといカレーを作りました。
チキンカレーのつもりが、ひねどりカレーになりました。

鶏肉とひねどり肉がこうも違うものとは!

思い返すと、子どもの頃から食べ慣れている鶏肉は肉屋で売られているもので、どの店頭にも「ひねどり」という表示を見かけたことなどありません。
ひねどり、初めて口にしたのです。

ひねどりって何でしょう?
それは年をとった鳥という意味で、老いて卵を産まなくなっためんどりか、老いて活発さの消えたおんどりのことなのでしょう。その肉は硬くて、臭いが強く、食べにくいものでした。

硬いひねどりの肉をしつこく噛んでいるうちに、不思議にも生前のこの鳥の面影がふっと目の前に現れた気がしました。それは赤くて立派なトサカに太く長い脚を持ったおんどりの姿でした。
何となく愛着さへ湧いてきます。
次々とひねどり肉を噛んでいるうちに、ふと「オスカー」と名付けてやることにしました。
オスカーはこのカレーの鍋に入るまで、いったい全体どんな暮らしをしたニワトリだったのだろう…
精悍で力強かったオスカーの姿がゆっくりと脳裏に描かれます。
そうやってしみじみとひねどりを噛み続けました。
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by toshimusikk | 2012-01-06 22:28 | 美味しいもの
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